残暑お見舞い申し上げます。

さる8月20日はとっても大事な日でした。
 今年度から白谷清茶堂として引き継いだ建物が旧西山邸。さる8月20日はその屋敷を建て、住んでおられた西山茂氏の祥明命日だったのです。
 村中から尊敬され、このご自宅で94歳の天寿を全うした西山茂氏の33回忌の日だったのです。
 西山氏はこの地:旧柿木村の村長であり、議員として村人の生活向上に、大正から昭和にかけて尽くしてこられた英雄であり、初めての名誉村民の称号を受けた方です。
 法事は親戚に当たる西蔵寺で、西山住職によって執り行われました。引き継ぎのご挨拶と感謝をこめて、白谷清茶堂も本堂に参列し、念仏し、焼香し、いろいろお話を伺いました。
 西山家の墓地は、この土地の習俗と同じで屋敷の裏手の高い所にあり、十の墓石に14名が眠っています。この季節どこでも咲いている百合の花、屋敷の水辺に生えている山椒の枝、インドとパキスタンのお香を持って墓参りをしました。
 西山家のご親族・親戚は高齢者が多く、この土地を離れているので誰も来られないことは知らされていました。血は繋がってはいないけれど、新たな縁が繋がった白谷清茶堂が西山家の墓に参るなんて、この地に眠る方々は驚かれたかもしれません。
 西山茂氏の墓標のすぐ足元に茶ノ木が生えているのを堂元は見逃しませんでした。長年この屋敷を守ってきた縁者の方が活けた仏花に加えて、茶ノ木を切って捧げました。
 単にお茶を作って売るだけではなく、この土地で営まれてきた生活文化・精神性をも学びながら筋を通して活動してゆく思いを新たにした大事な日でした。(文責:村山和之)